補聴器とは、難聴の人が音声を聞き取るために使用する音の増幅器で、聴覚障害を補うための道具です。
形状は多種多様ですが、仕組みは音を拾う「マイク」、音を大きくする「アンプ」、音を出す「イヤホン」と電源部から成り立っています。
難聴と言っても、高音が聞き取りにくかったり、低音がききとりにくかったり、人それぞれで程度も異なります。個人の聞こえの状態に合せて補聴器を選ばなくてはなりません。
また、使用状況(場所、時間など)によっても補聴器の選択が異なります。
そして重要なことは、選ばれた補聴器をその人に合わせて調整(フィッティング)することが必須になります。
そのため補聴器の専門家がいる販売店または医療機関で1~2週間ごとに数回の調整を繰り返す必要があります。
現在はデジタル補聴器が主流の為、より調整が複雑化してきており、豊富な知識をもった専門家に調整をしていただくのが良い結果を生むでしょう。
補聴器には、形で分類すると、耳かけ型・耳あな型・ポケット型の3つの形があります。
難聴レベルやデザインに合わせてお選びいただけます。
耳の後ろにかけて使うタイプの補聴器です。
耳の後ろに隠れてしまう程小さくて軽いものや、大音量で電池も長持ちする大きめのものなど、デザイン・性能も多様です。
充電タイプもあります。
耳のあなに入るタイプの補聴器です。
小型で目立ちにくく、耳が本来もつ集音効果も活かせます。
オーダーメイドタイプと既製耳あな型と2種類があり、オーダーメイドタイプは耳型の採取をし、お客様の耳にフィットした補聴器を作ることができます。
最近では、耳あなではなく耳の外側のひだで補聴器を保持する新しいタイプのデザイン性に優れた補聴器なども発売されています。
補聴器を左右の耳に同時につける「両耳装用」で、人が本来持っている2つの耳の機能が生かされます。
両方の耳で聞くことで、左右からの音をバランス良く聞くことが出来ます。
方向感覚が改善されるために、いろいろな方向からの音に集中しやすくなり、ざわついた中での聞きとりが良くなります。
- 音の方向感覚がより良くなる
- 騒音の中での聞き取りがより良くなる
- より自然な感じで音が聞こえる
- 小さな音でも聞き取りやすくなる
- 平衡感覚が改善される
- 補聴器を使ってない耳の言葉の聴き取り能力の低下を抑えられる
補聴器とは音を聞く為の道具ではなく、コミュニケーションの為の道具です。
物音や雑音は聞こえれば問題ありませんが、言葉は「理解」しなければなりません。
補聴器はコミュニケーションの道具ですから、物音を聞くだけでなく、理解する為に「言葉の聞こえ方のテスト」を行い、自分自身の言葉に対する聞き取り度合いを理解する必要性があります。
- 自分の聴力、環境や使用条件、それに音の受け入れ方に応じた調整が必要です。
- 聞き取り能力を理解し、それに合わせて使用方法を理解する必要があります。
- 慣れるまでに時間がかかるので、アフターフォローが必要です